第8話 すいかの名産地

三輪をつむぐ100のお話

雨が少なく日照に恵まれた大和盆地では、甘くておいしいすいかが育ちます。この地域は昔からすいかの名産地として知られていました。また、奈良県には研究熱心な農家(篤農家)が多く、美味しくて丈夫なすいかを作るために日々工夫を重ねていました。

三輪もすいか栽培が盛んな地方でした。大正の終わりから昭和の初めにかけて、奈良県では本格的にすいかの品種改良が進められました。このとき、三輪で栽培されていたすいかが特に優れていたので、「大和3号西瓜」という名前がつけられました。この品種は、その後の品種改良の基盤となり、日本中のすいか栽培に影響を与える大きな役割を果たしました。

品質が良くなった「大和すいか」は、大阪や京都などの大都市で評判を呼びました。古い写真には、収穫したたくさんのすいかを貨物列車に積み込む三輪駅の様子が残されています。

しかし、交通や流通が発達し、大規模な農地がある地域での生産が増えたため、奈良県で作られるすいかの量は少なくなりました。奈良県には平地が少なく、生産を広げることが難しかったのです。それでも奈良県には品種改良の伝統が受け継がれており、現在、日本で栽培されるすいかの種の約80パーセントが奈良県で作られています。

ですから、これらの種から育つすいかは、三輪の「大和3号」の遺伝子を受け継ぐ子孫だと言うことができます。暑い夏の日、あなたがすいかをほおばるとき、そのすいかの遠いご先祖さまは三輪の畑で育っていたのです。三輪は、日本のすいかのふるさとです。

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