秋の三輪のまちなかでは、電線にびっしりと並んで羽を休めるツバメたちの姿が見られます。
2026年9月下旬ごろから気になり始めたこの光景。三輪駅前通りでは、駅から桶屋の辻までの3ブロックにわたって、電線にたくさんのツバメが止まっています。さらに、途中から大神神社の参道へ向かう通りや、駅前通りの一筋南、えびすの辻の通りでも同じような光景が見られます。
10月5日の午前7時51分に撮影した写真にも、何十羽ものツバメが電線に並んでいます。これだけの範囲に同じような密度で集まっているのですから、全体では相当な数になりそうです。
秋になると群れをつくるツバメ
春になると南の国から渡ってくるツバメ。人家の軒先などに巣をつくり、子育てをする姿は、昔から日本の暮らしになじみ深いものです。ところが、子育てを終えたツバメたちは、夏から秋にかけて群れをつくるようになります。そして秋が深まると、冬を過ごす東南アジアなどへ渡っていきます。
ツバメが群れるのは、天敵を警戒したり、集団でねぐらを利用したりする習性と関係しています。電線は周囲を見渡しやすく、羽を休めるのに都合のよい場所なのでしょう。
奈良県では、平城宮跡のヨシ原がツバメの大規模な集団ねぐらとして知られています。夏には数万羽ものツバメが集まることがあるそうです。
ただし、平城宮跡の集団ねぐらが最もにぎわうのは夏。三輪で目立つようになったのは9月下旬からです。秋の渡りと関係しているのかもしれません。
なぜ三輪のまちなかに集まるのだろう
三輪の周辺には水田や畑が広がり、初瀬川も流れています。ツバメの餌となる小さな昆虫が豊富にいる環境なのでしょう。また、ツバメは人の暮らしと深い関わりをもつ鳥です。人家に巣をつくるのは、人の存在が一部の天敵を遠ざけることにもつながると考えられています。
三輪のまちなかも、ツバメたちにとって安心して羽を休められる場所なのかもしれません。
もっとも、三輪だけに集まっているのか、周辺のまちでも同じような光景が見られるのかは、まだわかりません。また、写真の鳥がすべて普通のツバメなのか、秋に群れをつくるコシアカツバメなどが含まれているのかも、確かめてみたいところです。
ツバメたちはどこから来て、どこへ行くのだろう
もう一つ気になるのは、このツバメたちが夜をどこで過ごしているのかということです。
ツバメは日中に餌を取り、夕方になるとヨシ原などの集団ねぐらへ移動することがあります。三輪のツバメたちは、朝から電線に集まっています。夜を別の場所で過ごして朝に戻ってくるのでしょうか。それとも、三輪のまちなかに夜もとどまっているのでしょうか。
そして、いつまでこの光景が続くのでしょう。これから少し気をつけて観察してみたいと思います。
ツバメのいるまち
ツバメは、田畑の害虫なども食べてくれる益鳥として、昔から人々に親しまれてきました。ムクドリやカラスの大群は、ときに騒音や糞害などで問題になりますが、ツバメたちが電線にずらりと並んでいる光景には、なぜか心が和みます。
三輪のまちの上空で、何百羽ものツバメたちが羽を休め、やがて南の国へ旅立っていく。
人々が行き交うまちの上にも、こうした季節の営みがあるのですね。秋の三輪の風物詩として、これからも見守っていきたいと思います。
写真:2026年10月5日 午前7時51分、三輪駅前通りにて撮影


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