大阪・日本橋の国立文楽劇場で、10月31日(土)から11月23日(月・祝)まで、錦秋文楽公演が開催されます。
今回、三輪にとって見逃せないのが、第2部で上演される『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』です。この作品には、三輪の酒屋の娘「お三輪」が登場します。
三輪の酒屋の娘、お三輪の恋物語
『妹背山婦女庭訓』は、明和8年(1771年)に初演された人形浄瑠璃の名作です。大化の改新を題材に、蘇我入鹿をめぐる争いと、そこに巻き込まれる人々の恋や運命を描いています。
三輪の杉酒屋の娘、お三輪は、求女(もとめ)という若者に恋をしています。ところが、求女には橘姫という別の女性との関わりがあり、お三輪は嫉妬に心を乱されます。求女と橘姫を追いかけるお三輪。その恋の行方は、やがて思いもよらない悲劇へとつながっていきます。
今回上演されるのは、「杉酒屋の段」「道行恋苧環」「鱶七使者の段」「姫戻りの段」「金殿の段」の五つの場面です。
三輪山の神話につながる「苧環」
物語の中で重要な役割を果たすのが「苧環(おだまき)」です。苧環とは、糸を巻いておく道具のこと。お三輪は糸を手がかりに、恋する人の行方を追います。
この趣向は、『古事記』に記された三輪山の神婚伝説を思わせます。
三輪山の神、大物主神が夜ごと通う相手の正体を知ろうと、衣に糸をつけてその行方をたどる物語です。糸は三輪山へと続き、神の正体が明らかになります。
古代の三輪の神話が、江戸時代の人形浄瑠璃の恋物語にも息づいているのです。
三輪を知る楽しみが、またひとつ
三輪の酒屋の娘が主人公となり、三輪山の神話を思わせる糸の物語が展開する『妹背山婦女庭訓』。江戸時代の人々は、三輪という土地にどのようなイメージを抱いて、この物語を楽しんでいたのでしょうか。三輪の歴史や文化を知る私たちにとっても、興味の尽きない作品です。
この秋は、少し足を延ばして、文楽の舞台で三輪の物語にふれてみてはいかがでしょうか。
公演案内
令和8年 錦秋文楽公演
- 会場:国立文楽劇場(大阪市中央区日本橋)
- 公演期間:2026年10月31日(土)~11月23日(月・祝)
- 休演日:11月6日(金)、16日(月)
- 第2部:午後2時15分開演(午後5時10分終演予定)
- 演目:『妹背山婦女庭訓』
- 観劇料金:一般6,500円(全席指定)
公演の詳細・チケットの購入は、国立文楽劇場公式サイトをご覧ください。


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