2026年10月12日(月・スポーツの日)、三輪坐惠比須神社の御鎮座1100年をお祝いして、三輪まちなかつば市「よいよい祭」を開催しました。10月14日の御鎮座一千百年祭を前にした「宵々祭」です。
会場は、三輪坐惠比須神社、JR三輪駅前、福之神の辻の三か所。秋晴れの一日、三輪のまちなかは、音楽や芸能、おいしい食べ物、そしてたくさんの笑顔でにぎわいました。
今回のテーマは、「八十の衢、ふたたび」。
かつて三輪の地にあった海石榴市(つばいち)は、多くの道が交わり、人や物、文化が行き交う場所でした。その歴史に思いを寄せながら、現代の三輪にも、さまざまな人が集まり、新しいご縁が生まれる一日になればという思いを込めたお祭りです。
惠比須神社は、お祝いの芸能でいっぱい
祭りの幕開けを飾ったのは、桜井歌垣舞楽団「和のーと」の獅子舞と和太鼓でした。三輪駅前から福之神の辻を通り、惠比須神社へ。獅子舞がまちを練り歩いたあと、境内では威勢のよい和太鼓が響きました。小さな子供たちも一緒になって太鼓に親しみ、3歳の子が大きなお兄さんやお姉さんのまねをして太鼓を打つ姿もありました。
三男米さんによるポン菓子の「祝砲」も登場しました。大きな音とともにお祝いのポン菓子ができあがると、集まった皆さんで味わいました。昔懐かしいポン菓子が、1100年のお祝いにふさわしい、楽しい演出になりました。
紙芝居屋のガンチャンは、御鎮座1100年を記念して制作したオリジナル紙芝居を披露。『歌垣上等』に続く第2作『しあわせなら手をたたこう』に、子供たちも大喜びでした。



書と二胡が出会い、音楽が境内を包む
西野寛山和尚による書パフォーマンスでは、二胡ユニット「音兎-oto-」との共演が実現しました。披露された書は三作品。
「八十の衢」は、古代の海石榴市に思いを寄せ、人々の新しいご縁を願うもの。
「虚空寳來」は、仏教が日本へ伝わった地とされる海石榴市の歴史にちなみ、2038年の仏教公伝1500年を見据えたもの。
そして「糸」は、中島みゆきの『糸』の二胡演奏に合わせ、この日この場所で出会えたご縁への感謝を込めて書かれました。
ほぼぶっつけ本番で生まれた書と音楽の共演。秋晴れの境内に、心に残るひとときが流れました。
音兎-oto-の皆さんは、そのあともイベント終了まで演奏を続けてくださいました。演奏が終わると、すっかり音色に魅せられたお客さんたちがステージに駆け寄り、次の演奏予定を尋ねたり、CDを買い求めたりする姿もありました。
また、バグパイプとハーディ・ガーディの Na Piobairi Fraoigh の演奏には、テーバーパイプも加わり、三人で三会場を巡ってくださいました。ヨーロッパの古い楽器の音色が三輪のまちなかに響く、ちょっと不思議で楽しい光景でした。



みんなで祝う、紅白の千本杵餅つき
御鎮座1100年のお祝いに千本杵餅つきも行いました。今回は紅白のお餅を一臼ずつ。七本の杵を囲んで、大人も子供も一緒に餅をつきました。太鼓打源五郎の「伊勢道中唄」「ひょうたんや節」に合わせて、みんなで調子を合わせます。赤いお餅には、べにはるかと紫芋の粉末を使い、ほんのりサツマイモの風味が楽しめる仕上がりになりました。餅をつく人も、音頭に声を合わせる人も、周りで見守る人も、みんなで一緒にお祝いする餅つきです。
惠比須神社境内は、ステージを取り囲んでお餅の販売や露店の出店で終日にぎわいました。



桜井発祥の国産はるさめを知っていただく
惠比須神社のステージでは、「戎はるさめ」で知られる奈良食品の社長さんから、にっぽんの宝物グランプリの受賞報告と、国産はるさめの紹介もありました。国産はるさめの発祥地は桜井市です。これから鍋物がおいしくなる季節ですが、はるさめの食べ方は鍋だけではありません。奈良食品では、工場併設のカフェでさまざまな食べ方を提案しています。地元で生まれた食品の歴史と、新しい楽しみ方を、多くの皆さんに知っていただく機会となりました。
三輪駅前に、さこすて五地域の特産品が集合
三輪駅前には、JR西日本コンサルタンツが各地で取り組む「さこすて®」の五地域が集まりました。広島県福山市の神辺、兵庫県赤穂市の坂越、兵庫県丹波篠山市の篠山口、和歌山県由良町の紀伊由良、そして奈良県桜井市の三輪。それぞれの地域の特産品が並び、駅前はにぎやかな市になりました。
地元の農家から届いた新鮮な野菜の販売も人気で、茹でたて枝豆のもぎ取り販売も行われました。さこすて®みわのブースでは、素麺、地元の枝豆とともに「三輪惠美酒クラフト泡」を販売しました。今回もゴールデンラビットに醸造を委託しましたが、将来は三輪に自前のブリュワリーを持つことを目指しています。三輪の新しい酒づくりの夢も、少しずつ育っています。
篠山口のブースには、旬の丹波黒豆枝豆が登場。三輪近郊の枝豆と丹波篠山の黒枝豆を食べ比べるという、産地が集まったからこその楽しみも生まれました。
そして、地元の中尾社中(SMN38)の皆さんが素麺音頭の踊りを披露してくださいました。各地から集まったさこすての皆さんにも、三輪の素麺文化を紹介することができました。




福之神の辻に、一日限りのにぎわい広場
三輪駅から惠比須神社へ向かう途中の福之神の辻では、三か所の空き地を使って、五つのテント出店と一台のキッチンカーが並びました。出店を奥側に配置し、手前にはパラソルやテーブル、椅子を置いて、買い物や食事をゆっくり楽しめる場所をつくりました。
中でも大人気だったのが、福づつみの「からあげクシ」。地元の末広精肉店から仕入れた朝引き鶏を使った、一串300円のからあげです。売れては追加で鶏肉を仕入れ、福づつみの厨房で揚げるという忙しさ。ついには末広精肉店でも鶏肉が足りなくなり、追加で調達していただいたほどでした。地元のお店同士が力を合わせて、祭りのにぎわいを支えてくださいました。
三輪駅から福之神の辻、惠比須神社へと続く道には、赤い「まちなかつば市」ののぼりを並べました。駅から大神神社へ向かう途中の人たちも、福之神の辻で足を止め、食事を楽しんだり、惠比須神社へ足を延ばしたり。いつものまちの風景に、一日限りの新しいにぎわいが生まれました。



切符を片手に、三会場を巡る
今回は、三会場を巡るスタンプラリーも行いました。それぞれの会場で買い物をするとスタンプを押してもらえる仕組みです。スタンプ台紙は、JRらしく鉄道の切符を模した本格的なデザイン。この台紙が欲しくて参加する人もいたほどでした。三会場のスタンプを集めた方には、関西まちづくり賞の受賞を記念して制作した、さこすて®オリジナルのトートバッグをプレゼントしました。切符を片手にまちを歩き、それぞれの会場で買い物を楽しんでいただきました。


三輪の記憶と、現在の取り組みも紹介
惠比須神社の境内では、写真家さんたちが御鎮座1100年を記念して奉納してくださった、三輪の祭りやまちなみ、暮らしを記録した写真の展示も行いました。昔の三輪を写した写真に足を止め、熱心に見入る皆さんの姿がありました。
また、三輪駅の駅舎横では、三輪駅の古写真、さこすて®の取組紹介、関西まちづくり賞の受賞のパネル展示をしました。これらのパネルは、別の日に桜井市役所のロビーで行われた公共交通利用促進キャンペーンでも展示されました。三輪駅の昔の姿と、現在の駅を拠点とした活動を、多くの方に知っていただく機会となりました。


祭りが終わっても、ご縁は続く
今回のよいよい祭では、各地からたくさんの方が三輪に来てくださいました。
篠山口からは、まちづくりに取り組む方が、地元の行事を終えて電車を乗り継ぎ、三輪まで駆けつけてくださいました。それぞれの地域で活動する人たちが、お互いのまちを訪ね、顔を合わせ、言葉を交わす。物産の販売だけではない交流が生まれました。
そして、祭りが終わり、三会場の片付けを済ませたあとには、福づつみで打ち上げ。さこすて®のスタッフ、三輪の地元スタッフ、そして神辺から来てくださった三名の皆さんも参加して、夜遅くまで交流が続きました。
昼間の祭りのにぎわいが終わったあとも、人と人とのご縁は続いていました。
八十の衢、ふたたび
今回のよいよい祭は、御鎮座1100年という大きな節目をお祝いする一日でした。
しかし、振り返ってみると、お祝いの芸能や催しだけではなく、本当にいろいろなことがありました。予定になかった出演が加わり、その場で即興の共演が生まれ、地元のお店同士が助け合い、遠くの地域から来た人たちが三輪の人たちと交流しました。子供たちは餅つきや紙芝居を楽しみ、大人たちは音楽に聴き入り、買い物や食事を楽しみながら三輪のまちを歩きました。そして、これから三輪で育てていきたい新しい商いや、次の活動につながりそうな出会いも生まれました。
かつて多くの道が交わり、人や物が行き交った海石榴市。その歴史に思いを寄せて掲げた「八十の衢、ふたたび」という言葉が、形になったような一日だったと思います。
ご出演、ご出店、ご協力いただいた皆さん、遠方から駆けつけてくださった皆さん、そして三輪のまちを訪れてくださった皆さん、本当にありがとうございました。たくさんの参加者みんなで創り上げ、時と場をつむぎ、豊かな縁を結ぶイベントとなりました。
種をまいて、ご縁を結んで、みんなで育んで、幸せを分かち合う。
これからも、三輪のまちで、いろいろな人と出会い、楽しいことを一緒に重ねていければと思います。



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