三島由紀夫 大神神社感懐

三輪の暮らし博物誌

三島由紀夫(1925年〈大正14年〉1月14日 – 1970年〈昭和45年〉11月25日)

昭和41年(1966年)8月22日から大神神社に3泊参籠し、24日に三輪山頂上へ登拝。感銘を受け、後日大神神社に感懐を寄せる。

この経験をもとに、昭和44年2月、『豊饒の海』第2巻「奔馬」を発表。

 大神神社の神域は、ただ清明の一語に尽き、神のおん懐ろに抱かれて過ごした日夜は終生忘れえぬ思ひ出であります。

 又、お山へ登るお許しも得まして、頂上の太古からの磐座をおろがみ、そのすぐ上は青空でありますから、神の御座の裳裾に触れるやうな感がありました。東京の日常はあまりに神から遠い生活でありますから、日本の最も古い神のおそばへ近寄ることは、一種の畏れなしには出来ぬと思ってをりましたが、畏れと共に、すがすがしい浄化を与へられましたことは、洵にはかり知れぬ神のお恵みであったと思います。

 山の辺の道、杉の舞、雅楽もそれぞれ忘れがたく、又、御神職が、日夜、清らかに真摯に神に仕へておいでになる御生活を目のあたりにしまして、感銘洵に深きものがございました。

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