節分つくもがみ

アートプロジェクト「節分つくもがみ」 節分つくもがみ

アートプロジェクト「節分つくもがみ」コンセプト

今、私たちは大量生産、大量消費、大量廃棄の時代に生きています。そんな中、イタリアで「スローフード」運動が起こったことは記憶に新しいでしょう。それは単に「手っ取り早い(fast)」に対する「手間ひまかけた(slow)」という時間の比較にとどまりません。小規模農業で育まれた農産物や、家内制手工業で受け継がれてきた伝統技術が、大量生産・大量消費の波に押されて途絶えてしまう――それがいかに取り返しのつかない文化的損失であるかという危機感が、スローフード運動の背景にあります。

この流れは食べ物にとどまらず、ファストファッションや大量消費される音楽、使い捨てのロードサイド文化、さらには「ニュータウン」という名の消耗される町並みまで、私たちの衣食住すべてに及んでいます。意識しなければ、私たちはその流れに巻き込まれ、「消費者」という名で祭り上げられながら、やがて自分自身の人生までもが使い捨てられる時代に生きているのです。

三輪の町でも、昭和以前の趣ある空き家が次々に姿を消し、駐車場や現代住宅へと変わり、あるいは空き地として放置されています。かつての風景を知る者にとって、この変化は、町そのものが「スカスカ」になっていくようで、どこか心に穴が開いたような思いがします。この現状も、大量生産・大量廃棄時代の根っことつながっているのではないでしょうか。

古来、日本人は万物に魂が宿ると信じてきました。長い年月を経て魂を宿した道具や器物が、やがて神格化や妖怪化する「付喪神」の信仰もその一つです。そして、陰陽が入れ替わる時節である節分には、こうした付喪神が現れるとされています。

一陽来復、節分から立春は命が再生する時節です。このプロジェクトでは、参加者が付喪神に扮して町を歩き、厄を落として新たな一年を迎える機会を作ります。そして、道具や廃棄物に新たな命を吹き込む象徴的な行動を通じて、大量廃棄社会への問いかけを行います。この3つの再生を重ね合わせたメッセージを、節分という特別な時期に体現します。

付喪神たちは、廃棄物や忘れられたものに新たな価値を見出し、観る人々に「もったいない」「物を大切に」といった普遍的なメッセージを伝えます。冬から春へと命が巡るように、私たちもまた新たな視点を得て未来への一歩を踏み出してみませんか?この「節分つくもがみ」プロジェクトを通じて、三輪の町に息づく文化を再発見し、未来を創るきっかけをともに考えましょう。

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