三諸杉の若蔵主、聖林寺十一面観音の天蓋を語る

三輪の暮らし博物誌

聖林寺(桜井市下)の国宝十一面観音は、フェノロサが絶賛し、第1回の国宝指定を受けた24の文化財の一つとなりました。

明治の神仏分離までは三輪の大御輪寺(現在の若宮神社)に祀られており、地元からも篤く信仰されていたようで、今西酒造の蔵主が天蓋を寄進しています。

天蓋には寄進者が記され、現在は聖林寺で保管されています。

奉寄進佛天蓋
和州式上郡三輪山大御輪寺常什物
右意趣者為
(戒名10)
□至法界菩提也
施主三輪下市
今西弥右衛門
同 新右衛門
寛保二壬戌年五月


今西酒造蔵主のお話です。

江戸時代 寛保二年(1742年 )当蔵五代目 今西新右衛門が寄進した国宝・聖林寺 十一面観音様の天蓋です。しっかりと名前が刻まれており、歴史の重みを感じます。

当時、大神神社の神宮寺、大御輪寺にいらっしゃった十一面観音様の天蓋として寄進したものです。 その後、明治の廃仏毀釈で十一面観音様と共に天蓋も聖林寺に遷され、今も聖林寺で保管されています。

これは大切な三輪の歴史ですね。
そして、出口橋から「げたう前」までの「上市」に対して、今は使いませんが、昔は三輪惠比須神社を中心とした上街道沿いの中町や西町、柳町を「下市」と言ってた証拠でもありますね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました