――まちづくりの成果を、子どもの数で測ってみる
三輪小学校の組分けは、伝統的に「い組」と「ろ組」。1年い組、6年ろ組とかね。
三輪の子ぉにとっては、入学したときからそれが当たり前です。言い方は「い〜ぐみ」「ろ〜ぐみ」と伸ばしますよ。
それが大変珍しいことだと気付くのは、大人になってから。他所の人と小学校時代のことを話したとき、
「今どき、そんな学校があるんやなあ(笑)」なんて笑われたりすることもあります。
ところが、三輪小学校も児童数の減少によって、今ではほとんどの学年が1クラス。組分けをする必要がありません。
今の三輪の子ぉに、そんなプレミアムな小学生時代を送らせてやれないのは、ちょっと残念です。
そこで、
「い組ろ組保存会」
です。
目標は「い組」「ろ組」の復活
目標はいたって明快。
三輪小学校が各学年2学級、全校12学級以上になるくらいの児童数を維持できるまちにすること。
そのためには、三輪を、「ここで子育てをしたい」と思ってもらえる、魅力的で安心安全なまちにしなければなりません。
では、そのために何をするのか。
地域の資源を活かす。
経済を盛んにする。
人が集まるまちにする。
まちの中で経済を回す。
地域の歴史を活かす。
文化を豊かにする。
まちの外へ文化を広げる。
そして、人が人を呼ぶ。
そんな取組を地道に積み重ねてまちを豊かにし、働く世代が暮らし続けられる仕組みを育てる。
その結果として子供が増え、三輪小学校に、「い組」「ろ組」が復活する。
そして、三輪の子ぉに、三輪小学校のちょっと珍しい伝統とプレミアムな体験が引き継がれる。
\(^o^)/
という壮大な計画です。
「い組ろ組」は、まちづくりの物差し
この「い組ろ組保存会」を考えた当初は、こんなふうに半分冗談を交えながら書いていました。
けれども、その後いろいろなまちづくりに関わる中で、これは案外、本質を突いた目標なのではないかと思うようになりました。
まちづくりの成果は、何で測ればよいのでしょう。
観光客が何人来た。
イベントに何人集まった。
売上がいくら増えた。
地域内総生産がどれだけ伸びた。
もちろん、どれも大切な数字です。
でも、まちを豊かにする最終的な目的は、数字そのものを増やすことでしょうか。
このまちで暮らしたいと思う人がいる。
このまちで働くことができる。
このまちで子供を育てたいと思える。
そして、次の世代へまちが受け継がれていく。
そこまでたどり着いて初めて、まちづくりが実を結んだと言えるのではないでしょうか。
そう考えると、「三輪小学校に、い組とろ組が復活したか」というのは、なかなか面白いまちづくりの評価指標だと思います。
経済、文化、仕事、住環境、安全、人のつながり。そうしたさまざまな取組の積み重ねが、最後には「この町で子育てをしたい」という選択につながる。
子供の数は、その結果として現れます。
だから「い組ろ組保存会」が本当に保存しようとしているものは、「い組」「ろ組」というクラス名だけではありません。
子供たちの声が聞こえ、次の世代へ暮らしが続いていく三輪のまちそのもの。
「い〜ぐみ」「ろ〜ぐみ」と呼ぶ声が、いつの日か三輪小学校に戻ってきたら。
そのときは、三輪のまちづくりも、なかなかうまくいったと言えるのではないでしょうか。


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