桜井警察署東交差点から、三輪、芝、箸中を通り、巻野内の天理市境へ。
国道169号のこの区間には、三輪素麺を食べられる店や販売店、製麺に関わる事業所などが点在しています。
この道を「三輪そうめん街道」と名づけ、みんながその名前で呼ぶようになったら面白いのではないか。
そんなことを、2023年9月に考えました。
道にも、愛情を込めた名前を
最初の目標は、とても単純です。
「三輪そうめん街道」という名前が、「三条通り」や「御堂筋」のように道路名として定着し、地図に載ること。
道が「169号線」という番号だけで呼ばれるのは、なんだか囚人番号みたいではありませんか。
毎日のように通る道だからこそ、その土地らしい、愛情を込めた名前で呼びたい。名前がつけば、それまで何気なく通っていた道が、「三輪素麺のふるさとを通る道」として見えてきます。
場所に名前をつけることは、その場所に意味を見つけることでもあります。
名づけるだけなら、0円から始められる
「三輪そうめん街道」の面白いところは、大きな施設をつくらなくても始められることです。
まずは名前をつけ、そう呼んでみる。それだけなら、ほとんどお金はかかりません。
けれど、その名前が地域に浸透すれば、
- 「三輪素麺」の名前を通行する人や観光客に伝える
- 三輪素麺の産地としてのイメージを育てる
- 沿道への飲食店や販売店などの出店を促す
- 奈良の食文化の魅力を発信する
- メディアや旅行情報などに取り上げられるきっかけをつくる
といった、さまざまな展開が考えられます。
「うどん県」のように、名前そのものが地域を語り始めるかもしれません。
三輪素麺のまちとして
桜井市には「桜井市三輪素麺の普及の促進に関する条例」があります。その第2条には、
市は、三輪素麺の普及を促進するために必要な措置を講じるよう努めるものとする。
とあります。
「三輪そうめん街道」という名前を育てていくことも、三輪素麺という地域文化を伝える一つの方法になるのではないでしょうか。実現に向けては、桜井市だけでなく、道路を管理する奈良県や、食・農業に関わる関係者などとも連携していくことが考えられます。
名前が育てば、できること
「三輪そうめん街道」という名前が地域に定着すれば、その先にはいろいろな展開が考えられます。
道路案内への表示、交差点名への活用、「三輪そうめん街道」のロゴ、案内地図、沿道の景観づくりや案内表示など。
けれど、2023年にこの構想を書いてから時間が経ち、今ではもう少し小さなところから始めてもよいのではないかと考えています。
まず、デジタルの地図の上に「三輪そうめん街道」を描いてみる。
スマートフォンで街道沿いの素麺店や製麺所、歴史や風景を見られるようにする。
そして、実際に地域の人や訪れる人に「三輪そうめん街道」という名前を使ってもらう。
名づける。意味を伝える。使ってもらう。そして、少しずつ地域の名前として育てていく。
それから必要になったところに、案内板や道路表示などをつくっていけばよいのかもしれません。
名前をつけると、まちの見え方が変わる
この構想をあらためて読み返してみると、「三輪そうめん街道」は単なる三輪素麺の宣伝企画ではなかったことに気づきます。
何気なく存在している道に名前をつけ、その土地にある歴史や文化を見えるようにする。それによって、いつもの道の見え方が少し変わる。
これは、現在「たにぐく堂」の「まちかど博物館」で考えている、場所に意味を見つけ、その物語を伝えるという取り組みにもつながっています。町には、まだ名前をつけ直したり、意味を掘り起こしたりすることで、違って見えてくる場所がたくさんあるはずです。
「三輪そうめん街道」。
まずは、そう呼ぶところから始めてみましょう。
原案:2023年9月5日



コメント