出雲の大己貴命が国造りをしていたとき、それを助け、力を合わせていた少彦名命が常世の国に去ってしまいました。
大己貴命が「これから先国作りはどうしたらいいのか」と嘆いていると、海を照らして彼方からやって来る神がいました。
その神は、「我は汝の幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)である。大和国の東の山の上に私を祀れば、国造りに協力しよう」と言いました。大己貴命は幸魂奇魂を三輪山にお祀りし、国造りを成し遂げました。
この三輪山に鎮座する大己貴命の幸魂奇魂が大物主命です。
大己貴命は自らの中に存在するもうひとりの自分に気づいて国造りの大業を成し遂げました。
私たちは大きな物事に向かったとき、そんなことが自分にできるのかと、不安になったり尻込みしたりしてしまいがちです。
しかし、三輪山に鎮まる大物主さまの前で心静かに手を合わせると、私たち自身の幸魂奇魂に気づき、勇気をもつようにと大物主さまに力づけられるのです。